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健康ガイダンス(咬むことの科学)

健康ガイダンス(咬むことの科学)

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この記事は私の知人から入手した情報です。私たちは、毎日食事のたびにものを咬むということを意識せずに行っています。
ところが、ものをしっかり「咬む」ことにより、身体の免疫力を高め、酵素を作ることにも寄与していること、ひいては「キレル」ことが少なくなる等についてはあまり知られていません。
ましてや、「咬む」ことが脳の働きと関係があるとは思いもよらぬことです。最近、食育については色んなところで取り上げられているようですが、食事のしかたについてはあまり深く取り上げられていないようです。そういう意味で、この記事は子育ての大きなヒントになると思います。

(注)< >内は分かり易いように、私が原文に書き加えたものです。

2000年前と比べて今は咬む回数は6分の1に

「咬む」ことは単に「消化を助ける」だけでなく、脳の発達と重大な関係があるようです。サルを使った動物実験にこんな興味深い話があります。

「Aサルは歯を全部抜いて育てた。Bサルは左側だけ上下の歯を抜いて育てた。Cサルは歯にまったく手をつけずに育てた。その結果はどうであったか。

Aサルは綱渡りがまったくできなかった。Bサルはなんとか渡ろうとするが途中で落ちた。Cサルは楽に綱渡りができた。

死後、3匹のサルを解剖すると、大脳の発育に大きな差がみられた。Aサルは全体として脳が未熟であったし、Bサルは歯のない側の脳が発育不良。Cサルの脳は左右平均してよく発達していた。」(松平郁夫「咬む健康法」泰流社)

この実験でもわかるように、歯でよく咬<か>むことが、脳の発達に重大な影響を及ぼします。これは人間でも同じです。アメリカの歯科医学者R・フォンダは、歯の咬合<咬み合わせ>の悪い子どもは、良い子どもに比べると知能指数(IQ)が低いと報告しています。

日本でも幼稚園児を対象に咬むことと知能指数の関係を調べたところ、よく咬む園児ほど知能指数が高いことがわかっています。(上田実『咬むことと脳の働き』デンタルフォーラム)

人間の食事時間と咬む回数を歴史的に調べたデータに、元神奈川歯科大学教授で日本咀嚼<そしゃく>学会監事の斎藤滋先生による次の研究があります。

2000年前の食事時間は51分で咀嚼回数は3990回、江戸時代には22分間で1012回。戦前は野菜中心で五分づき米を22分間かけ、1420回かんだが、戦後はハンバーグ、スープ、パンといったやわらかい物が幅をきかし、なんと11分で620回に減じています。

それが最近の小学生の給食調査では平均700回で、3分の1は500回に満たないということでした。

下あごを活発に動かすと新しい血液が脳へ送られる

成人の歯は親知らずも含めると、上下32本あります。小さいころから歯ごたえのある物を食べていると顎骨<あごの骨>が発達し、そこへ乳歯がまばらにはえ、それが永久歯にはえかわるとき歯と歯のすき間が詰まったきれいな歯並びになるのです。

「それがいまは小さいころからやわらかい物ばかり食べて育ち、顎骨が発達していません。そこへ大きさは前と変わらない歯が押し合いへし合いはえてくるので、乱ぐい歯になるのです。(昭和大学歯科病院・川和忠治院長=冠橋義歯学)

確かに最近の若い人は歯並びがよくないようです。かつてはチャーミングポイントの一つとしてもてはやされていたのですが、アメリカではドラキュラ(吸血鬼)とみられることも。

かつて日本の有名な女性シンガーが八重歯ゆえにニューヨークのカーネギーホールへ上がれなかった、という有名なエピソードがあります。

それはそれとして、こめかみに手を当ててみてください。ピクピク動いています。この一帯に脳で使い古された血液がたまっています。ところがものを咬むことで、下顎を動かすたびにたまった血液は引っ張られて心臓に送りかえされます。すると血圧が下がって、そこへ動脈から新鮮な血液がドッと流れ込んでくるというものです。

このように咬むことは使用済みの血液をくみだし、酸素と栄養素をたっぷり含んだ新鮮な血液を脳細胞へ送り込むので、脳は若返り、活性化するというものです。ここに、咬むことがボケ防止になるという理由があるといえます。

また、歯並びを矯正したら長年の頭痛、めまい、肩こり、うつ病が治癒したという話もききます。これは今後の重要な分野となっていくと思われます。

つまり歯科医も、歯だけいじっていればいいという時代ではなく、内科などとの連携が重視されるでしょう。その点、昭和大学歯科病院では近く内科を併設するということで、時代を先取りした歯科のあり方といえましょう。

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