子どもを読書好きにする苦楽園読書くらぶ

追唱が重要

追唱が重要!

追唱の遅い子ども

篠山で読書くらぶを立ち上げてから、2年近くになります。

この間、読書くらぶを利用してもらった子ども達について分かってきたことがあります。

  • 読書スピードが遅い、
  • つまり追唱のスピードが遅い子どもが多い、ということです。

もちろん読書くらぶにきた子ども達だけで判断はできませんが、非常に気になりました。

西宮では、小学中学年・高学年になると3~4倍速で本を読んでいる子どもが多かったのです。

一方篠山では、よく本を読む子どもで2倍速、あまり読んでいない子どもでは1.2~1.5倍速あたりで読んでいます。

西宮では、私立中学を受験する子どもが多いこともあり、長文を読むことに慣れているからかも知れません。

しかし、後で述べるように追唱のスピードと学力とが深い関係があります。引き続き、子どもお追唱の力を鍛えていくことに尽力していきたいと思っています。

追唱(ついしょう)とは

次に、先で話題にした「追唱」についは、どくしょ通信でも繰り返し説明してきましたが、追唱は私たちの言語活動で非常に大切な営みなので、再度説明します。

私たちは、人と話す時相手の言った言葉を、頭の中でそっくりそのまま繰り返しています。

これを「追唱」といいます。

「追唱」はそれと自覚せず無意識でやっています。

耳から入ってきた音声は「追唱」により

  • 大脳の左半球(言語中枢)にある「ウェルニッケ中枢」で言語として理解され、
  • その言語情報が記憶や知覚、認識、運動の領域へ送られます。
  • したがって「追唱」ができないと記憶ができません。

また読書をしているときも、

  • 文字情報を目から大脳の視覚野を経て
  • やはり「ウェルニッケ中枢」で音声化して、

それを「追唱」しています。

「追唱」というのは意識するとそれと自覚することができます。

今あなたはこの文章を読んでいます。

  • あなたはここに書かれていることを、目で字を追いつつ、
  • さらに頭の中で唱えていないでしょうか?

例えば「追唱」と書いてあると、あなたの頭の中で「ついしょう」と言っているはずです。

これが文章を読む時の追唱です。

したがって、追唱のスピードが読書のスピードを決定することになります。

私たちは「聴く」・「読む」時、必ず「追唱」しているということを覚えておいてください。

この「聴く」・「読む」力が学習する上で、非常に重要な要因になっています。

学習のベースになっているものは何か?

学習について考えてみましょう。

学習の構成要素は大きく分けると

  • 先生
  • 教材
  • 学習環境
  • そして子どもの学習能力

になります。

この子どもの学習能力を入力・出力という観点から考えてみましょう。

この場合の入力は

  • 「聴く」
  • 「読む」

つまり

  • 「先生の話を聴く」
  • 「文章を読む」

ことに当たります。

出力は

  • 「話す」
  • 「書く」
  • 「考える」

になります。

入力をもとに

  • 「自分の考えを発表する」
  • 「習った漢字を書く」
  • 「問題を解くために考える」

ことに当たります。

当然、入力があって、それを「理解して」初めて出力ができます。

学習の成果は通常テストで評価されますが、

  • 出力の部分は問題にされますが、
  • 入力の部分はほとんど問題にされることがありません。

しかし、

入力の部分でつまずきがあれば、出力でおもわしい結果がでないことは容易に想像できるでしょう。

つまり、

  • しっかりした出力を出すには入力の良し悪しが重要になってきます。
  • 入力したことを「必ず使って、それを理解して」出力するからです。

しかし、現実には

  • 先生
  • 教材
  • 学習環境
  • そして生徒の学習能力としてやる気とか、理解力

とかが問題とされるだけです。

この理解力という言葉は入力をも含めた意味で使われている様ですが、理解する力と入力する力は分けて考えるべきだと思います。 

塾に行けば先生・教材・学習環境を替えることができます。
そして子どものやる気を引き出してくれるかも知れませんが、
入力である「聴く」・「読む」レベルにさかのぼって指導しないと根本的な解決には至らないケースもあるのではないかと思います。

人の話を聴く能力・文字を読む能力は学習するうえで本当に基本となる能力ですが、何故かこのことに触れられていないのが実情です。

生徒の入力の状態の良し悪しに、もっと注目すべきではないでしょうか。

身近な例をあげます。私が西宮でやっていた塾では算数は個別指導です。子どもが分からないと、私のところに質問にやってきます。私はまず、説明文や問題文を「音読」するように言います。たいていの子どもは、音読した後「分かった。」と自分の席にもどっていきます。そして、自力で解けることが多いのです。

これは、黙読では問題の読み込みがしっかりできないので、「黙読で読むこと」を「音読して自分の耳で聴くこと」に変えることで、読み込みが確実にできたということです。この例のように、黙読では文章の読み込みがしっかりできないことが原因で、問題の解けない子どもはたくさんいるのです。

黙読は言葉を頭の中で音声化して、それを追唱します。この一連の働きつまり追唱の力がしっかりしていないと、黙読ができないのです。高学年になると、まわりの子どもに迷惑になるからといって、子どもは黙読を強られるので、こういったことが顕著になります。

「人の話を聴く力」は追唱の能力で決ります。「文字を読む力」も文字を頭の中で一度音声化して、それを追唱しているので、やはり追唱の能力で決ります。こうして考えてくると、

子どもの学習のベースとして、「聴く」「読む」ための力は「追唱」の力に依存していることが分かります。

この力は普段あまり問題とされることがないのですが、数値化できない「みえない学力」ということができますね。

「読書量の多い子どもはおしなべて学力が高い」とよく言われますが、それには理由があるのです。彼らは追唱の能力が高いのです。それは多読によって、追唱の力が繰り返し鍛えられるからです。

追唱の能力が高いほど、文章からの情報を正確に入手できます。そして、次の段階の理解・解決の道へ進むことができます。もちろん語彙が豊富であることもみのがせません。入力がしっかりできるのです。先の算数の例では、文字情報の入力の段階で問題があったのですね。

また、読書量の多い子どもは文字なれすることで、読書スピードも上げていると考えられます。この文章の読み込みのスピードが速ければ速いほどつまり、追唱のスピードが速いほど考えるための時間的余裕ができ、さらに有利になります。追唱のスピードが速いと、先生の話すことがゆっくりと聴こえ、理解することにも余裕がもてますね。

まとめ

これまでのことをまとめると、

追唱のスピードが速いと、学習面全般で非常に有利になります。

  • まず、追唱がしっかりできると、読書が好きになり
  • 音読がじょうずになります。(音読は、子どもの学力を知る一番簡単な方法です。)
  • 黙読がしっかりでき、文字情報を正確に入手できます。したがって、的確な出力ができます。
  • 記憶力がよくなり、集中力がつきます。(倍速音声を聴くことによる効果です。)
  • そして、追唱のスピードが上がると、
  • 先生の説明、話がゆっくりと聴くことができるので、理解するのに余裕がもてるようになります。
  • 読書スピードが上がり、多読になります。(逆に、読書スピードが上がると追唱のスピードも上がります。)
  • 読むスピードが上がって、入力が速くなるので学習時間が短縮できます。同じ時間で繰り返し学習ができ、学力が定着しやすくなります。
  • 受験時、国語の長文に対応できます。
  • 将来社会に出た時、文章を読む上で困らない。(知識社会では多くの文字情報を速く処理できる能力が求められます。)
  • また社会人の場合、追唱のスピードを上げることで、次のようなことが実現できます。
  • 頭の回転が速くなる。
  • 速読になる。(神がかり的な速読でなく、追唱をベースとした獲得可能な速読です。)
  • 資格をとるための学習、自己啓発のための学習が繰り返し、能率よくできる。
  • 会話をしていても余裕をもって相手の話を聴くことができるようになり、社会生活で一番大切なコミュニケーション能力がアップします。

追唱の能力を高めるには

それでは追唱の能力を高めるにはどうしたらよいのでしょう。それには、まず音読です。音読が自分でできる追唱のトレーニングになっており、本を読む基礎になっています。そして、言うまでもなく、読書をすることです。しかも多読することです。

それでは読書する時間がない。読書が苦手なので、とても多読などできない。といった人は追唱の能力を高めることができないのかというと、そうでもありません。追唱のスピードを上げるトレーニングをすることで実現できます。

それには倍速音声を聴くことす。

しかるに、読むスピードは追唱のスピードで決まります。追唱のスピードを上げれば、読書スピードは上がるのです。じつは

読書くらぶでの読書法がこの追唱のトレーニングになっているのです。

読書くらぶでは

「読書くらぶ」と言うと、図書館をイメージして、通常の本の読み方と変わらないと思っておられる方が多いのですが、実際は大きく違います。目は本の文字を追うのは通常の本の読み方と同じですが、読んでいる本の朗読音声がヘッドフォンから耳に入ってくるところが大きく違います。本を読む時の追唱を強力に後押しするので、読書が非常に容易になります。

この方法に慣れてくると、耳に入ってくる朗読音声を通常の速さの2,3,4、5・・・倍とスピードアップして聴くことができるようになります。つまり、追唱のスピードを上げることができます。もちろん、読書スピードも追唱のスピードアップとともに速くなり速読につながります。

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